天然少女の憂鬱
「だからー、葉月のこと!さっきそこで結亜のこと“俺のだー”とか言って叫んでたよね?」
「あぁ!叫んでた叫んでた。あたし、すっごいビックリしたもん!」
結亜ちゃんと美夏ちゃんの二人が言うんだから本当なんだろう。
…あたし葉月くんに付き合うなんて一言も言ってないのにな。
「…まじで?」
黙って話を聞いていた瑠香が言った。
「うん、ほんと。すごい勢いだったよ?」
それに美夏ちゃんが答える。
「…あたし、葉月くんと話してくる!」
ガシャンと箸を置いてあたしが席を立つと、瑠香が“あたしも行く!”と言って席を立った。