天然少女の憂鬱
「ねねっ瑠香。」
「ん~?」
「あの人達って、バイクの修理屋さん?」
二階に上がる為の階段を登りながらあたしは尋ねた。
「違うよ。修理屋さんじゃなくて、普通にバイクの改造してるだけ。相変わらず超天然だね~結亜ちゃんは。」
あたしの質問に答えたのは、瑠香ではなかった。
「えっ!?…なんで翔(ショウ)さんがここに?」
なんと瑠香の一つ年上の彼氏、翔さんだった。
「だって俺、ここの幹部だもん。」
「幹部?」
「そ。んっと…総長の次の位なんだ。」
「そうなんですか。」
総長が聖也さん、幹部が翔さんか。