天然少女の憂鬱
 



突然あたしを抱き締めた、ヤツ。
こういう場合はあくまで冷静に。冷静に。




「…何ですか。」



「迎えだ。送る。」



「結構です。てか近所迷惑ですのでお引き取り下さい。」



うん、今のは我ながら良い断り方だと思う!




「大丈夫だ。オマエの母親の許可は下りてる。」



そう言って押し立てほやほやだと思われる契約書をあたしの前にちらつかせた。


…確かに印鑑で押してある。〝中原〟って。



「…お母さんのバカーーーー!!!」






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