天然少女の憂鬱
▼あたしの救世主
ホコリがだんだんと薄れていく。
「結亜、来い。」
さっきは怒鳴り声だったから誰だか分からなかったよ…
「聖也…っ!!」
聖也はあたしにとって、敵だけど…何故か涙が溢れた。
…あたし、怖かったんだ。
泣きじゃくるあたしを強くギュッと抱きしめる聖也。
敵だけど…敵だけど、安心出来たのは確かだった。
「おい、オメェ等!俺の女に手ェ出しといて、只で済むと思うなよ。」
凄んだ、低い低い声だった。
本当に怒ってるみたいだ。