先生にキス〈5〉
「だから、俺…早く幸歩の心を完全に振り向かせたかった。なかなか素直になってもらえなかったけど、今は、すごく素直だよな。」
ドキン…
自分で言うのもなんだけど、確かに柊平に思ったこと、素直に言うようになった。
高校の頃だったら、恥ずかしいな…と思って口に出せないことまで、言ったりしてる。
ここ数年での大きな変化だったのかも。
「柊平が……変えてくれたんだよ?素直にさせてくれた。」
運転している柊平の横顔は少し赤くなる。
「なあ、紅葉狩りはやめて、旅館でゆっくり過ごす?早く抱きしめたくなってきた。」
「え?ちょっと…!」
柊平は、先ほどよりもスピードを上げて快調に車を走らせた。