先生にキス〈5〉

旅館に入ると、女将さんに丁寧な挨拶でお出迎えされて、部屋へと案内される。

「遠いところ、お疲れさまでございました。ご夫婦でいらっしゃるんですよね…。とても可愛らしい奥様ですね…。」


部屋へと続く廊下を歩きながら、女将さんが柊平に、にこやかに話し掛けると、柊平は私の方を見つめた。


「そうなんですよ…。俺には勿体ないくらい素敵な奥さんだなぁ…といつも思ってるんです。」


少し照れくさそうに頭を掻く柊平もほんのり頬が赤くなってる気がするけど…


私は、顔が真っ赤…。


女将さんに、そこまで言わなくてもいいような気がするんだもん…。



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