先生にキス〈5〉
「ごめんな…。こんなに濡れて寒かっただろ?風邪ひくといけねぇから、とりあえず宿に戻ろう?」
柊平は着ていたジャケットを私に羽織ると、肩を抱き寄せながら歩く。
あったかいなぁ…。
柊平のジャケット…。
柊平の香りに包まれながら、心も温かい気持ちで満たされていく。
私…こんなに落ち着ける場所って、柊平しかいない。
さっきは、あんなに不安で寂しくてどうしようもなかったのに、今は…心がスッカリ安心しきってる…。
寂しさも消えちゃった…。