先生にキス〈5〉

「今日の詳しい経緯…聞いてもいい?」


夕食も終わり、一段落した後…


柊平は足の間に私を座らせて、お腹の辺りに手を回した。


そういえば、早く着替えをしないと…っていうことになったから、神社では直ぐに理由は聞かれなかったんだよね…。


「あのね…御守りを買ったら、小さな女の子が迷子になって泣いてたの…。柊平に相談しようと思ったんだけど、えっと…女性に囲まれてたから言えそうな雰囲気じゃなくて…。それで、私…一緒に探してたの…。」


「その女の子のご両親は見つかったのか…?」


「うん…。その子のお母さんも探してたみたいで、無事解決はしたんだけど、私が御守りの売場に戻って来たら、柊平がいなくて…それで……」


あの瞬間のことが頭にパッと浮かんでしまい、言葉に詰まってしまった。



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