先生にキス〈5〉

私たちは、展望台へと続く緩やかな石畳の階段をゆっくりと上っていく。


やはり見頃の時期と土曜日だっていうこともあり、観光客が多い。


「今日は、家族連れとか若い人も結構いるな。」


すれ違う人を見ながら上る柊平の表情は心なしか複雑そう。


どうかしたのかな…?


「柊平、何か気になることあるの…?」


「ん?ああ、すげぇ気になってるよ?幸歩が他の男に誘惑されるんじゃないか…ってさ…。」


えっ……
誘惑!?



< 214 / 336 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop