先生にキス〈5〉
私たちは、展望台へと続く緩やかな石畳の階段をゆっくりと上っていく。
やはり見頃の時期と土曜日だっていうこともあり、観光客が多い。
「今日は、家族連れとか若い人も結構いるな。」
すれ違う人を見ながら上る柊平の表情は心なしか複雑そう。
どうかしたのかな…?
「柊平、何か気になることあるの…?」
「ん?ああ、すげぇ気になってるよ?幸歩が他の男に誘惑されるんじゃないか…ってさ…。」
えっ……
誘惑!?