先生にキス〈5〉
ポカンと口を開けたままの男性をあとに、私は柊平に連れられて一気に展望台までたどり着いた。
「は…速いよ、柊平。」
階段を駆け上がるように上ってきたため、息があがってしまった。
「幸歩は、さっきの男が言ってた意味…分かってるのか?」
「え…?」
意味って言われても…
「…友達になりたいって思って、言ってくれただけなんじゃないかな…?」
それ以外にないと思うけど…。
柊平は、そう答えた私を見ると苦笑いを浮かべた後、ギュッと抱きしめた。