先生にキス〈5〉
「アイツ、幸歩と携帯の番号を交換しようとしてたんだよ。さり気なく自分の携帯出してただろ?」
「うん、そういえば…。」
「あれは、どう考えても幸歩を誘ってたんだよ。いわゆるナンパ。」
「な…ナンパ!?」
そ…そうなんだ…。
全然、気付かなかった…。
何度も瞬きをしながら驚いていると、チュッと唇にキスをされた。
「頼むから、もっと自覚して?幸歩は可愛いんだからさ…。」
私と同じ目線に背を屈めると、優しく微笑んだ。