先生にキス〈5〉
仕事を終えて帰って来ると、マンションの前に立っている柊平の姿が飛び込んできた。
「おかえり、幸歩。」
駆け寄った私に優しく笑って頭を撫でる柊平に、“ただいま”と返す。
「どうしたの?ここで待ってるなんて…」
ビックリしていると、柊平が私の肩に手を回して引き寄せた。
「今朝の幸歩見てたら心配で、少しでも早く顔見たかったんだ…。」
朝のこと…
気にしてくれてたんだ…。
またじんわりと心の奥が温かくなる。