先生にキス〈5〉
「うーん…熱は下がったみたいだな…。顔色もだいぶ良さそうだけど…」
「ね?だいぶ調子が良くなったの…。だから、夕食ぐらい作ろうと思って。」
シチューを煮込んでいるお鍋をチラッと見て微笑むと、柊平はおでこに触れていた手を後頭部に滑らせた。
「幸歩の笑顔が見れると、やっぱりホッとする…。でも風邪は治りがけが大事なんだから…あんまり体に負担かけるなよ…。」
柊平は、コクンと頷いた私の唇にキスを落とす。
コトコトと煮込んでいたシチューの甘い香りに包まれながら…
私たちは、少し長いキスを交わしていたんだ…。