先生にキス〈5〉


「揺るぐことなんてない…って思ってた幸せが壊れたのはショックだったし、辛かった…。だ…だから今回のことも……すごく怖かったの…。もしも…あの手紙がキッカケで柊平が離れていったらどうしよう…って、不安が溢れてきて……抑えたくても、否定したくても……私……」



「幸歩……無理しなくていいよ…。ずっと心に抱えて我慢して…頑張ってきたんだな…。でも、俺は絶対にお前と一緒に掴んだ幸せは離さない…。一生、幸歩に愛を注ぐからな…。」


「………っ…」


私は涙のせいで、それ以上声も出なくなってしまった。


後頭部に手を添えながら、ギュッと強く抱き締めてくれている柊平の温かさが、今まで押し込めていた気持ちを全て開放してくれている気がしたんだ…。



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