先生にキス〈5〉
「幸歩、今“帽子”でお花見行った日のこと、思い浮かべただろ?」
柊平のニンマリ顔に、私はアタフタしてしまった。
「おっ……思い出してないよ…。」
否定してみたけど、顔は正直みたいで……
「嘘つくなって…!そうやって否定するところも好きだけどさ…。」
ニコニコ顔の柊平には適わない…。
私の気持ち…
私が思っている以上に、柊平って分かってくれているような気がする……。
あっ、でももしかしたら…私が相当分かりやすい性格なだけなのかも…。