先生にキス〈5〉
「あの時は夜だったけど、人もたくさん来てたから、歩く時は、誰か同じ学校の生徒や先生に鉢合わせになったりしないかって、ドキドキしたなぁ。」
「私もです……。でも柊平、学校で会う時はあんまり危機感がなかった気がするんだけどな…。」
“そうだったか?”って聞く柊平に、私は少しだけ頬を膨らませながら頷いた。
だって……
音楽準備室に行くと、ほとんどの場合……なかなか教室に帰してもらえなかったもん…。
帰ろうとすると、柊平に後ろから抱きしめられたりしてさ……。
いくら鍵かけてたとはいえ、かなりハラハラものだったよ…。