先生にキス〈5〉
「どっ、どこに行くんですか?」
「んーどうしようかな。」
何それ…。
宛てもなく歩いてるってこと…?
駅の構内をずんずんと歩いていく宇堂さんに不満たっぷりの視線を注いだ。
柊平…
そろそろ来たかな…。
どうしよう…。
私がいなかったら心配するよね…きっと。
後ろを振り向いて、待ち合わせ場所の方をチラチラと見た。
「そんなに旦那が気になる?」
「当たり前じゃないですか!!待ち合わせ中なんですから…。それより、宇堂さんは会社に戻らなくてもいいんですか…?」
「平気。ちょうど昼食の時間だからさ。」
うっ…
そっか。
もうランチタイムなんだよね…。
なんてバッドタイミング…。