先生にキス〈5〉
「お前が男子生徒の誰かに心奪われたりしないかって、いつも不安だった。だから、一緒にいる時間をなるべくたくさん作ろうとしたんだよ。」
「えっ……そうだったの?」
私は目を見開いた。
「特に最初のうちは、幸歩を怒らせることのが多かったからな…。余計に不安だった。」
そ…そんな風に柊平が思っていたなんて……
「私……全然知らなかった…。」
「そりゃそうだよ。幸歩には、不安抱いているような表情も気持ちも隠してた。幸歩よりもアタフタするような俺なんて見せられねぇから。」
照れくさそうに話す柊平に、ついつい笑みがこぼれた。