先生にキス〈5〉

「…幸歩、誰?その人。」

ちょっと低めの声にドキッとなる私。


ふと柊平を見ると、笑顔のようで笑顔じゃない…複雑な表情をしていた。


「あっ!えっと…職場の先輩で宇堂さん…。前にちょっと話した…よね?」


アタフタしながらそう言うと、柊平は以前、話した時のことを思い出したようだった。


「へぇ、和丘さん…俺のこと、彼氏に話してくれてたんだな。」



「もう彼氏じゃないんですよ…俺。」


柊平は、私の肩に手を回すとグイッと引き寄せた。



< 68 / 336 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop