先生にキス〈5〉
パッと体を離した柊平はニヤニヤしながら、私を見つめた。
えっ…なんか私……
マズイこと言っちゃったのかな…?
「ほら幸歩!早く買い物して家に帰るぞ?」
柊平は私の手をとり、選んでいた食器類の会計を速やかに済ませた。
柊平、急に動きが早くなったんですけど……。
人だかりを作っていた皆さんの視線を充分すぎるほど浴びながら、私たちは、お店を出た。
何…?
この変わりっぷり…。
ついさっきまで、宇堂さんのことでテンションが下がっていたみたいだったのに、急上昇…してない?