片隅に沈む心
第一章 消えない傷痕

 それは突然の出来事であった。

 
少女がひとり、とある小学校の天窓を突き破って転落した。


 少女は高所恐怖症であり、

それを知る友人の杉島孝久と度胸試しをしていたのだ。


「怖いかー!」

「怖くないよ!」



 怖くない──そう自分を誤魔化すかのように少女は思い切り飛び跳ねた。

 
 そして天窓を突き破って転落したのだ。


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