片隅に沈む心
第三章 恋愛感情

 授業が終わり、部活動のある生徒以外は帰宅していく。

 孝久も帰宅していく生徒のひとりだった。

「こんにちは」

「げっ」

 校門の前で萩島に待ち伏せされていた。

「『げっ』とは何よ、『げっ』とは」

「変な奴に出くわした時に発する声だ」

「こぉーんなに可愛い子があなたの事を待っていたというのにね」

「自画自賛はみっともないからやめておけ」

「むっ」

 とは言ったものの、萩島が可愛いのは事実である。

 少なくとも、孝久にとっては魅力的な容姿をしている。
< 16 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop