片隅に沈む心
第三章 恋愛感情
授業が終わり、部活動のある生徒以外は帰宅していく。
孝久も帰宅していく生徒のひとりだった。
「こんにちは」
「げっ」
校門の前で萩島に待ち伏せされていた。
「『げっ』とは何よ、『げっ』とは」
「変な奴に出くわした時に発する声だ」
「こぉーんなに可愛い子があなたの事を待っていたというのにね」
「自画自賛はみっともないからやめておけ」
「むっ」
とは言ったものの、萩島が可愛いのは事実である。
少なくとも、孝久にとっては魅力的な容姿をしている。