片隅に沈む心

「でも、それが偽りのものだったら?」

 孝久の内に眠る「お前は、その、本気なのか?」

 ──本気で、俺の事が好きなのか?

悪魔の声が自らに語りかける。 

「それは裏切りを意味する」

 ──裏切られるのはごめんだ。
 
 だから答える。


「俺はお前を信じていない」

「それはあなたが弱者だからよ」

「弱くて結構、じゃあな」

「あ、ちょっと待ってよ!」


 ──イライラする。原因はもちろんあいつだ。
 俺のすぐ後ろをついて回るあいつだ。

 
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