片隅に沈む心
 
 少女の死は避けられなかった。


 少女の死に、彼女の友人である孝久は初めて死を意識した。

「…………」


 言葉にならなかった。

 ただ、悲鳴にも似た嗚咽だけが孝久の口から漏れた。



「ぁ……ああぁぁっ…………」 



 ──死にたくない。


 涙を流し、その果てに芽生えた感情。
 
それは極めて原始的なものであった。



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