片隅に沈む心

さらに付け加えた。

「理屈じゃないのよ」

と。


 ──そうか。理屈じゃないのか。


「俺はお前を信じていないが、

お前を信じたいと思っている」


 ──だから。


「だから、お前を信じるために努力する」

「嬉しい。あたしも努力する」


 孝久は手を差し出す。


「これから俺が変わるのを、見てて欲しい」

「人はそんなに簡単には変われないわ」

「解ってる。だから努力するんだ」

「うん!」
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