片隅に沈む心


 あっという間に消える生徒たち。

「みんな必死だな……」


 一人取り残された孝久は自前の弁当箱を取り出す。

「俺にはこれがあるもんな」

 意気揚揚と自らの手作り弁当を食べ始めると、

 廊下から怒鳴り声が聞こえてきた。


「ちょっとあんた何やってんのよ!?」


「だから馬鹿って言われるのよ、ばーか」



「…………」



「なに黙ってんのよ」


「なんとか言いなさいよ」
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