Christmas Song
―プルルル、プルルル、プッ
『…はい』
大好きな声が聞こえた。
苛々してるのがわかるけど。
「やっぱり会いたいから、25日の夜8時に約束の場所で待ってる」
早口で相手に伝える。
『はあ、無理って言ったよな?』
「わかってるけど会いたいから待ってる。それじゃおやすみ」
そう言い、電話を切った。
はあ〜怒ってたなあ。
また嫌われたかな。
…泣きたくないのにな。
まだ弱虫だ。
涙で視界が潤み、我慢するように上を向く。
『紘貴のばか』
小さく悪態をつく。
それでも潤むのは止まらず、溢れてしまった。
―紘貴!待って、待ってよっ
―もうお前なんていらねえ