Christmas Song
『…どうしよ、ってもう返事は決まってるんでしょう?』
さすが早苗、私をわかってるのね。
「…断るよ」
私は妊娠してるし、紘貴とまだ一応続いているし。
『そうよね。まだ相原さんのこと好きなんでしょう』
「…うん。あんなに好きな人できないって思えるぐらいにね」
『それだけ好きなのに本当に言わないの?』
「うん。私ね、気付いたの」
今まで気付かないフリしてただけ。
『なにを?』
「私は紘貴に…愛されてなかった。好きだって言われたことなかったし、恋人と言うよりセフレみたいな…」
言ってるうちに、自分に呆れる。
ずっと心の奥で引っ掛かってたことを今になって思い出すなんて。
どんだけ私が彼を好きでも、彼は私を愛してくれない。