Christmas Song
『でもちょっと追い詰めちゃったみたいだし』
「…ううん。あ、パスタ冷めちゃうよ」
早苗の落ち込むのを見て、声をかけた。
私のせいなのに。
パスタを食べたあと、私たちはわかれた。
駅までの少しの距離をゆっくり歩いていた。
『…――、―』
聞き覚えのある声。
大好きな彼の声。
声のする方を向いた。
「ッ…!」
叫びたいのを飲み込んだ。
そこには、確かに大好き人の姿はあった。
けど、隣には彼とあまり年齢が変わらなさそうな大人の綺麗な女性。
女性と彼は腕を組み、楽しそうに歩いていた。
優しく微笑み、女性を気遣う彼。
それを見た瞬間、全て納得できた気がした。