御正月の詩
ライブのクライマックスに気づかず叫び続けたらしく。

気づくと周りは引き上げていく人の流れが視界から外れていく。

携帯のバイブで正気を取り戻した時、隣に友達がいる以外もうほとんど人は見当たらなかった。

軽い放心状態。それでもしっかり繋がれている手。


空いている手で携帯を開いた。メールが1通。

疲れ果てたうつろな視線を文字に這わせた。

どうやら、正月は退屈せずに済みそうだ。
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