御正月の詩

礼佳(あやか)

鍵盤の上を走る指。
ピアノの音が部屋を支配している。

部屋を支配していると言うことは、もちろん弾いている私の耳も、聴いている家族の耳も支配されている。

いつからだろう。毎年、一年の終わりに、一年の成果として私が家族全員の前でピアノを弾くようになったのは……。

4時間休みなしに弾き続ける。この行事を始めた頃はホントにしんどかった。

その時初めて4時間という時間の絶大差を思い知った。


普段何気なく過ごしている時間。何気なく消化する分には絶対に味わえない。
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