番外編
妖魔

ほたるのひかり

畑に囲まれたあぜ道で一人座る男がいた。

「あー、タバコ吸いてえな」

短髪で青いコートに身を包んだ陣内蛍は、空を見上げる。

しばらく吸ってないせいで、タバコが恋しく感じている。

「何言ってるでしょう」

隣に座っているのは、女性。

容姿は20代。

青く長い髪に、青い瞳。

名を葉桜郁乃という。

「なあ、郁乃よう。俺、主人公だよな?」

「自称。そして、過去形でしょう」

「お前、夜の時間はとても甘いのに、発言はいつも辛いよな」

「死ぬがいいでしょう」

突如現れた闇。

闇が陣内蛍に襲いかかる。
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