リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『純愛』・5
わたしでさえ、息つく暇なく動き回ります。

さすがに目が回ってきたので、生徒会室で一休みすることにしました。

誰もいないと思っていた生徒会室には、先客がいました。

先輩です。

イスに座り、眠っていました。

わたしは気配を消し、できるだけ足音を立てないように先輩に近付きました。

…かなり熟睡しているようです。

眠っている顔を見るのは、はじめてでした。

きっとファンの女の子達も見たことがない…寝顔。

思わず先輩の唇に見入ってしまいます。

薄く開かれた唇。

「………」

そこから少し声が出ているようです。

わたしは思わず顔を近付け、耳を傾けてしまいます。
< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop