リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『純愛』・5
「…好きだ」

「えっ…」

思わず声を出すと、先輩の瞼が震えました。

いけない!と思って、慌てて先輩から距離を取りました。

「んっ…? アレ? オレ、もしかして寝てた?」

「はっはい。でもわたしは今来たばかりなので、どれだけ眠っていたのかは分かりませんが…」

「そうか。いや、ゴメンゴメン。ちょっと疲れててさ」

そう言いつつ目元をこすり、立ち上がります。

「おっと、もうこんな時間か。急がなくちゃな」

机に置いていた書類を持って、先輩は生徒会室を出て行こうとしました。

「あっ、そうだ」

「はっはい」

先輩は振り返り、真っ直ぐにわたしを見ます。

「オレ、何か寝言言ってた?」
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