リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『純愛』・5
「すっすみません。本当は聞いちゃいました」

「うん。オレ何て言ってた?」

「すっ『好きだ』って…」

思わずわたしの顔が赤くなっちゃいます…。

「そっか。やっぱり言ってたか」

先輩はため息をつくと、真っ直ぐにわたしを見ました。

「その言葉を聞いて、キミはどう思った?」

「どうって…」

胸が痛くなりました。先輩に好きな人がいるなんて、今まで考えていなかったから…。

「…先輩が好きになった人が、とても…羨ましく思いました」

「羨ましい? 何で?」

「何でって…。そう、思っただけですから!」

そう言って、わたしは先輩から顔をそむけました。

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