きいろいアヒル
「どこ」



「これ。問4の(3)」
 


開かれたページを見ると、そこには何やら勉強した跡が見られた。消しゴムで消した筆算の跡がうっすらと残っていた。



そしてその問4の(3)には、鉛筆で大きくマルで囲まれていた。



「勉強してきたの?」



「一応、解いてきて、解らないところだけピックアップしてきた」



なんだ、ちゃんとやる気あるんじゃん。



私は微かに笑みを見せた。


「ああ、この問題ね。授業でやったじゃん」



そう言いながら、私は用意してきた雑記帳にサラサラと問題を解いてみせた。



そして、その問題の説明をした。



沢原くんは、真剣にうんうん頷いたり、ん〜、と難しい顔をして見せたり、“わかった!”と大きく手を叩いたりした。
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