きいろいアヒル

本当に解った？　じゃあ、今度は何も見ないで解いてみて」



と、私は雑記帳をめくり、新しいページを出して彼に渡した。



沢原くんは、自分のフデバコからシャープペンを取り出した。



てっぺんに黄色いアヒルの飾りがついているものだった。



くすっ。



沢原くんって、可愛いとこ、あるんだ。



これ、沢原くんの趣味なの？
　


そう心の中で笑っているのにも気づかずに、彼はアヒルを躍らせながらサッサッと問題を解いてみせた。



「……できるじゃん」



「だから、やればできるんだってぇ」



と彼は片眉を上げて、得意気に言った。