きいろいアヒル
「あ、じゃあ、待ってて。何なら、俺の勇姿を見せてもいいぜ」



「ふふふ、うん。待ってるね」



そして、私たちは、一緒に下校した。



教室から出る時から、ずっと、彼は私の手を握っていた。



“――だけど、私たち手を繋いだことって、一回もないの”
 


花村さんの言葉が、私の中でプレイバックされる。



うまくいくよね。私たち。


きっと、楽しい毎日になるよね。



ねぇ。
< 76 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop