きいろいアヒル
「ねえ、寄り道して帰ろうよ」



夕日色に染まった彼は言った。



いつもよりも、一層綺麗な夕日だった。



「どこ行くの?」



「ディズニーストア行こう。ドナルドダックのシャープペン、買ってあげる」



「わぁ」



「また、胸のポッケに入れてね」



「うん!」



そして、リョウ……私の元カレの涼も、あたらしい彼女とこの美しい夕日を、どこかで眺めているのかな、と思った。



幸せになってね。



花村さんじゃないけれど、私。



リョウに向かって、心の底からそう言えるよ。



遠くの方に、夕焼けに映えた飛行機雲が、まっすぐ、まっすぐ伸びていた。
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