その唇、林檎味-デキアイコウハイ。
*カフェラテな笑み
心底感じる疲労感。他のクラスの女子もあのことを聞きつけたらしく、休み時間、ひいては掃除時間まで私を質問攻めにやってくる。私に応えられることなんて殆どある筈なく、段々人数も減っていくのだけど。
終礼の後、私は普段一緒に買えている未沙を教室に残したまま、全力で走りだした。
迎えになんて来られてたまるか。それそのものを防げないなら、私が逃げるより他ないだろう。明日更に大変な目に遭う可能性も否めなかったけれど、どうなるかも分からない明日より、今日の平和を選んだ。
「……はぁ」
「どうしたんですか?」
昇降口まで到着して、一つ溜息を零したところで、聞こえる筈のない声が聞こえてきた。幻聴だと思いたいけれど、まさかそんなことはなく。
ここで分かったのは折角の全力疾走は徒労に終わったということ。
「行きましょっか」
「いや、どこに。ていうか私断らなかったっけ」
「いえ、どこかに走っていっただけです」
それを拒否拒絶と言うのだと、彼は知らないのだろうか。言葉に出さない限り、ご都合解釈はお手の物らしい。つまり私は、自分で自分の首を絞めていただけということになる。いっそ泣きたい。
終礼の後、私は普段一緒に買えている未沙を教室に残したまま、全力で走りだした。
迎えになんて来られてたまるか。それそのものを防げないなら、私が逃げるより他ないだろう。明日更に大変な目に遭う可能性も否めなかったけれど、どうなるかも分からない明日より、今日の平和を選んだ。
「……はぁ」
「どうしたんですか?」
昇降口まで到着して、一つ溜息を零したところで、聞こえる筈のない声が聞こえてきた。幻聴だと思いたいけれど、まさかそんなことはなく。
ここで分かったのは折角の全力疾走は徒労に終わったということ。
「行きましょっか」
「いや、どこに。ていうか私断らなかったっけ」
「いえ、どこかに走っていっただけです」
それを拒否拒絶と言うのだと、彼は知らないのだろうか。言葉に出さない限り、ご都合解釈はお手の物らしい。つまり私は、自分で自分の首を絞めていただけということになる。いっそ泣きたい。