みつめていた。

「宏太ごめんね」


「まったくだよ」


「えっと友達さんも、いきなりすいません」


彼女は俺の目を見た後深くお辞儀をした。


「いえっ、別に」


久しぶりに会った。



宏太のいとこは俺が探していた彼女だった。



「あれ?」


「ハル、どうした?」


「いや・・・あ、やっぱり。オムライスの人だ」


「・・・覚えてたんだ」


覚えられていて本当に嬉しかった。


「そりゃあ、いきなりあんなこと言われたらね・・・」


彼女は苦笑いで言った。


「信、お前なにしたんだよ・・・」


「まぁ・・・ちょっとな」


恥ずかしくて言えねーよ。


「そういえば、紹介してなかったな。こいつ、いとこの空晴子」


「空晴子です。よろしくお願いします」


そら はるこ・・・。

だから、宏太はハルって呼んでたんだ。


彼女の名前を知った。


「谷口信です」


「因みにハルは21歳。まだ大学生」


「・・・そうなんだ」


歳を知った。

だんだん彼女のことを知れていく。


それが嬉しくて、あんなに病んでいたのに、今はすっかり心が安らいでいた。


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