みつめていた。



人生初めての告白場所が駅だとは思わなかった。


「あたしも今日初めて会ったけど、信さんのこと好きだよ」


彼女はにっこり笑う。



これはきっと勘違いしてんな・・・。


つーか今晴子って呼び捨てにしたんだけど・・・スルーとは・・・。


「いや、俺は晴子ちゃんとは違う感情なんだけど」


「え?」


「俺は恋愛感情で好きなんだけど」


「嘘・・・」


「嘘じゃないから」


「でも、あたしたちまだ出会ったばかりだよ」


「出会った時間なんて関係ねーよ」



初めて会った時から気になってたんだ。



気になる以上に好きになっていた・・・。


「ごめん、無理・・・」


「理由は?」


断られることは予想通りだ。


別に傷ついてない。




・・・正直言うとちょっと傷ついた。



「あたし、忘れられない人がいるんで」


「それって叶うの?」


「・・・信さんに関係ない」


「関係あるから聞いてんだよ」

「・・・あたしは信さんを好きにならない」


彼女は辛そうな顔をして言った。


そんな顔するなよ・・・---。


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