みつめていた。
「ママ~」
リビングから可愛いらしい声が聞こえた。
「はいはい、どうしたの?」
「チーちゃんの・・・チーちゃんのリカちゃんの首が取れちゃったの」
泣きながら千愛はあたしの足元まで走ってきた。
「どれ?ママに見して?」
「はい」
千愛から受け取ると、無残にも頭と体が離れたリカちゃん人形・・・。
これはヒドイ・・・。
「ママ・・・リカちゃん治る?」
「・・・パパに持って行ったら、きっとパパが治してくれるよ」
伸、まかした。
「本当!パパ~」
千愛はもう10時なのに起きて来ない伸の元に走って行った。
「リカちゃん人形か・・・今回で3体目だよね」
千愛はリカちゃん人形が大好き。
大好きすぎて、遊びすぎて、よく壊す。
首が取れたリカちゃんは3代目のリカちゃんだった。
前はヒドすぎてまた買ったけど、今回は首だからな・・・信治してくれないかな・・・。
あたしはそう願いながらリビングの掃除をしていた。