みつめていた。

「よしっ!完璧」


千愛に話かけられて2時間。全部の部屋の掃除がやっと終わった。


「ん?・・・あ、忘れてた」


全部終わってなかった。


「寝室だ」


寝室はいつも信が昼まで寝ているから最後に掃除をしていた。



そういえば、千愛のリカちゃん人形どうなったんだろ?


行ってみようかな・・・。



寝室のドアの前に行くと、信の喚く声が聞こえる。



コンコン


「信?入る・・・よ・・・何してんの?」


「晴子ぉ-」


信はベッドから起き上がっていて、焦った顔をしてリカちゃん人形の首と体を両手で1つずつ持っていた。



「まだ治せてないの?」


あれからもう2時間が経ってるのに・・・。



「は?なんのことだよ。

それより、どーしよう・・・俺チーちゃんの人形壊しちゃったよ」


「は?」


なに言ってんの?



「起きたら横で気持ち良さそうにチーちゃんが寝てて、頭撫でようとしたら、片手には頭。片手には人形の体持ってたんだよっ。

なぁ、晴子。これどーしよ」


信は、泣きついてきた。


< 68 / 76 >

この作品をシェア

pagetop