みつめていた。
「そうなんだ。じゃあリカちゃんはいいの?」
「うんっ」
千愛は笑顔で返事をすると、信に抱きついた。
「パパっ」
「どうした?」
「早くチーちゃんの弟に会いたいね」
「そうだな」
信はニヤニヤしながら、あたしを見てきた。
「チーちゃん、ちょっと1階で遊んでてくれないか?」
「分かったっ」
千愛は笑顔で1階に下りて行った。
「さて、どういうことだ?」
「な、なにが?」
つい信の迫力に噛んでしまった。
信はあたしの腹をさすった。
「ここにいんの?」
なにが?とは言わない。
分かっていることだから。
「いないよ」
素直にあたしは答えた。
「な―んだ。千愛が言った瞬間本当かと思ってすっげー嬉しかったのに」
信は残念そうな顔をした。