ありったけの愛を込めて



「そんな期待しないで下さいね」




「期待はしてへんけど、悪かったらほんまに公立は行かれへんからな」




期待してないってそんなはっきり……




「了解でーす……」



会話を終わらせ自習室に入った






塾に来るのは好きだけど
自分が受験生なんだって自覚する瞬間が嫌で嫌で仕方ない



事実だからしょうがないんだけどさ




「何で席座ってないんだ?」


先生が入って来て不思議そうに言った



わぁ!ダメだダメだ
せっかく先生に教えてもらえるんだから……





「別に何もないよ?あっあたしね分かんないとこいっぱいあるんだ〜」



席に座って急いでノートと本を出した




「………どこ?」



「えーと、ここ!塾の授業理解不可能なんだよ」



先生に、怪しまれてないよね?




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