くつしたに穴



あたしは彼がコートを取りに行くのを見計らい、タタタッと忍者のように玄関へ移動した。

急いで穴の空いている右足から履く。


「よかったー…」


はあ、と安堵のため息がもれた。

もうこれで彼に、あたしの靴下に穴が空いているということはわかるまい。

ひっひっひっ

何?あたしって天才?


そう思っていたところで、緊急事態発生。

カバンを、彼の部屋のテーブルに置いたままだという事実が発覚した。


さて、緊急ミッションがひとつ増える。





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