くつしたに穴




彼が靴を履く。

彼は靴が好きだ。

この家には、一人暮らしなのに、大家族のように靴がある。

スニーカーだけでどれだけあるだろう。
きっとあたしの何十倍もだ。

だけど、あたしにはそれがちょっとわからない。

まあこれも、彼の趣味ってやつだから我慢したげる。


だけどあたしの苗字が彼の苗字になる日がくるとしたら、

ちょっとは捨ててもらわなくちゃ、スイートハウスの中の靴箱に入んないな。


…あ、そんなこと考えてる暇なかったんだった。


はやくミッションを成功させなきゃ!




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