先輩とおいらの5年カン!!
先輩の家をでると、もう夜明けだった。
薄暗い歩道をテクテクと歩いていると、新聞配達のバイクとすれ違う。
もうそんな時間なのか、と過ぎゆく時間を歩くことで自覚した。
涼しい風だ、もう3月。
澄み切った空気のおかげで、自分の酒臭さもよくわかる。
自販機で買ったレモンティーが温かい。コートの両ポケットにペットボトルを忍ばせ、そこに手を突っ込んで温めながら帰路に発った。
家につき、鍵をあけようとしたとき、先輩からメールが入った。
「ところでお前、なんで俺ん家にいんの?」
…もういないし
ってか本当に覚えてないのか?
どうせなら、仙人か医者かどっちかだったかを書いた内容のほうが嬉しかった。
そんな気持ちで部屋に入ると、「おかえり」と優しい声が私を迎えてくれた。
「ただいま~」
雄二に抱きつきながら、私は酒臭い息のする自らの口を、彼の唇に重ねた…
つづく
薄暗い歩道をテクテクと歩いていると、新聞配達のバイクとすれ違う。
もうそんな時間なのか、と過ぎゆく時間を歩くことで自覚した。
涼しい風だ、もう3月。
澄み切った空気のおかげで、自分の酒臭さもよくわかる。
自販機で買ったレモンティーが温かい。コートの両ポケットにペットボトルを忍ばせ、そこに手を突っ込んで温めながら帰路に発った。
家につき、鍵をあけようとしたとき、先輩からメールが入った。
「ところでお前、なんで俺ん家にいんの?」
…もういないし
ってか本当に覚えてないのか?
どうせなら、仙人か医者かどっちかだったかを書いた内容のほうが嬉しかった。
そんな気持ちで部屋に入ると、「おかえり」と優しい声が私を迎えてくれた。
「ただいま~」
雄二に抱きつきながら、私は酒臭い息のする自らの口を、彼の唇に重ねた…
つづく