甘い恋の誘惑

┗切願


Γアユさん、最近元気ないっすね?」


休憩が一緒だったミキちゃんはあたしの前の席でオムライスを食べながらそう言った。


Γあー…別に」


そう感情も何もないまま素っ気なく呟くあたしに、ミキちゃんは不満そうに首を傾げた。

あの日、莉子が来てから3日が経った。まだ何も自分の中で応えが出せないまま過ぎていった3日間。


もうすぐで大和に言われてから2週間になる。何でこんなに悩んでんのかも分からなくて、何に迷ってんのかも時間が経つにつれて分からなくなってた。


Γもしかして、あのイケメン彼氏の事っすか?」

Γだから彼氏じゃないってば!」


真剣な眼差しで言ってきたミキちゃんに半分苛立った声で返す。

もぅ、彼氏、彼氏ってうるさいなぁ…。あの大和が来た次の日、“何でした?”とか“何してたんですか?”とかミキちゃんとユリちゃんがあまりにも煩くて、その日はグッタリするほど疲れてたんだから…


Γでもアユさん、あの人が来てからずっと変ですよ?」

Γ変って?」


そう言ってきたミキちゃんに思わず顔を上げた。


Γなんて言うかボーっとしてる様な感じですかね」

Γいや、してないけど」

Γいや、してますね。えっ、何?もしかして“付き合ってー”的な感じっすか?だけど、どうしよう的な…」


ミキちゃんは何が面白いのかニコニコしながら言ってきた。そんなミキちゃんに思わず眉を寄せ頬を膨らませる。


嫌だけど、嫌だけど…ある意味あたってる。ところが何だかまたまたムカつく。


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